2007年3月9日
東京大空襲被害者112名が、国に対し、謝罪と損害賠償を求めて、
東京地方裁判所に提訴しましたが、10 回の口頭弁論で結審し、
平成21(2009)年12 月14 日、何故か、棄却判決となっています。
前大戦末期、国内約50万人の犠牲者を出した米軍の空襲から、75年を経た今でも
国家の政策に因る死者・遺族・傷害者など民間戦争被害者に対する弔意・医療等の
国家補償上の制度は、未だに講じられていません。
あの凄惨な空襲の日々を生き延びた被害者のほとんどは、理不尽で苦難の生涯を終えています。
勝っても負けても、戦争被害、戦争損害に対する補償は、国家として、また国民としても憲法を尊重し、
被害の少なかった国民は、第29条3項に基づいて公共の為に援護に協力するのが本来の姿でしょう。
あれから75年を過ぎた今を生きる被害者は、平均80歳を超えており、一刻も早い援護法の成立が待たれます。
超党派の国会議員による「空襲議連」と「全国空襲被害者連絡協議会」および「東京空襲犠牲者遺族会」などが、
空襲被害者等を援護するための立法化に努力しています。
管理人 西沢俊次
東京大空襲訴訟の目的と要旨 本件112名の原告らは、民間被害者にたいして何らの援助もせず、切り捨て放置してきた国の責任を、すべての東京空襲被害者を代表して問う。 国土は戦場と化し、前線と銃後、兵と民の差はなかった。父母兄弟など家族を失った、孤児を含む多くの遺族、そして障害負った人たちの戦中戦後の筆舌に尽くせない労苦を明らかにし、国に対し、日本国憲法に基づき、被害者への追悼、謝罪及び賠償を求める。 国は、東京大空襲による死者数や罹災者、行方不明者の実態調査、犠牲者の氏名記録さえせず、遺体の確認、埋葬もせず、追悼施設も刻銘碑もつくらず、死者を悼むという人間的な心情を踏みにじり続けている。本件原告らを含む多数の戦災孤児が生まれ、悲惨な状況におかれたのに、保護、援護をなさず、民間被災者に対する救済保護も全くなさず、軍人・軍属との差別をつくりだし、差別を拡大してきたものである。 かくして、国は、日本国憲法を無視し、空襲被害者を政府としての救済措置および国会としての救済措置を行ってこなかった行政・立法不作為の罪を犯している。 {訴状の詳細は A3版 120頁の大枚につき割愛] |